不在
2024-07-10
2024-07-09
2024-07-09
2024-07-09
てっきり、冷酷な殺人鬼の犯行を淡々とドキュメンタリー調に描いた作品だと思い込んでいたのだが、実際はそうでなかった。主役の異常人格者「K」はモノローグで延々と心情を述べ続ける。そのモノローグと不安な音楽をBGMに、刑務所から出所した当日の「K」が行き当たりばったりでとある一家を惨殺する様子が映し出される。「K」は繰り返し「俺には計画があった」「綿密な計画だ」と語るが、それは彼の頭の中でだけ完璧な妄想(ファンタジー)であり、何もかも思い通りに進まない。「K」は殺すつもりの相手を殺せないし、嬲るつもりだった相手を殺してしまうし、死体の処置は思いつきで決める。恐怖と苛立ちに追われながら……。そこにフィクションの殺人鬼が見せるような「スマートさ」は一欠片もない。その無様さが現実の異常殺人者というものはこうなのだろうと思わされる凄みがあった。
わずかな時間にもざっとこれだけのことを考えたので、単純に創作物としては「面白かった」ということになるのかもしれない。
なお、題材が題材なので暴力表現は当然えげつないが、ホラー的なゴアではない。
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