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不在

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人文系の興味を保ちつつ、ちょっと違う方向でバランスを取る本を読み始めよう。

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これだけ読み込み甲斐のある小説を書いたアガサ・クリスティもすごい。

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『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される?』はとっつきやすい部分もあるにはあるものの全体としては正直かなり難しい本で、私はたまたま(知識は不足しているものの)物語論的な分野に関心があったから興味深く読めたが、「なんのこっちゃかさっぱりわからん」という感想になる人も少なくないだろうな。一方、『アクロイドを殺したのはだれか』はフロイトとか出てきてやや専門的になる部分もあるが、全体的にはこれ自体一つのエンターテインメントとして楽しく読める。最後にちゃんとバイヤールが名探偵よろしく「真犯人」を名指しする、という胸躍る構図にもなっているし。
しかし難しさはともかく、『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される?』で指摘されている「シェパードはいつ、どうやってディクタフォンにアクロイドの声を録音したのか?」(ポアロの推理の根幹をなす部分が不確かである)と「シェパードは実は最終章においてはっきりと自白していない」(従って、シェパードは本来は殺人犯でなく、妄想の推理に囚われたポアロへの皮肉として曖昧な書き方をしたのだ、という読みが可能になってしまう)という二つの問題はわかりやすく納得できるポイントだった。バイヤールのポアロ批判/独自推理は極端としても、確かにポアロの推理は危ういんだな……。もし、ディクタフォン=物証が見つからなかったらシェパードを有罪にするのは難しいんじゃないだろうか?畳む

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『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される?』ではバイヤールの『アクロイドを殺したのはだれか』が批判的に検討されており、バイヤールの推理の筋道やその結論も要約されている。『〜殺したのはだれか』が高すぎて買えないけど内容は気になる(そして図書館で借りることができない)という人は、バイヤール目当てで『〜なぜ殺される?』を読むのもありかと思ったが、やはりバイヤールの皮肉なユーモアが効いた語り口を読んでほしい。要約とその批判だけ読んで「なるほど」で済ますのはもったいない、面白い本なんだよな。復刊されたらいいのに。(ちなみにバイヤールの『アクロイド殺し』批評? 推理? は恣意的な読みが多いのは事実で、バイヤールの「推理」への批判そのものは道理にかなっていると感じた)

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『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される?』読了。いやー難しかった。大著だなあこれは。専門的でついていけない部分も少なくなかったがなかなか刺激と示唆に富んでいる本だった。

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『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される?』を読み続ける。ジェラール・ジュネットがどんどん参照されるので、『物語のディスクール』などを読んでおけばよかったと少し後悔。やはり記号論・物語論・バルトあたりは入門書でもいいので触れておかないといかんなー。

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変な時間にぐっすり寝たものだから眠れない。

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アガサ・クリスティのミステリは実は非常にラディカルなのではないかと考えていた。

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『春にして君を離れ』を最初に読んだ時は、結局は心を入れ替えない主人公を見て「ひどいなあ、周りの人がかわいそうだ」と思ったが、再読して、せっかく訪れた改心の機会を活かせなかった主人公が一番哀れなのだと考えが変わった。主人公はあの地で感じた不安や疑念を忘れたように元の日常に戻るのだろう。というより実際、忘れてしまったのだろう。だが、きっと、一度芽生えた疑念は消えることなく心の底に埋もれていて、彼女はふとした瞬間に言いようのない不安に襲われたりするんじゃないだろうか。まあこれは私が空想をたくましくしすぎなのだとしても、本当は家族にすら疎まれていて、向けられているのは心からの親愛ではなくむしろ憐憫に近い愛なのに、自分だけはそれを知らずにみんなが気遣ってくれている虚構の中で生き続けるなんて、恐ろしい人生、恐ろしい結末だ。なんて怖い小説なんだろう。畳む

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しかしなんだろうな。癒し系みたいなゲームを楽しくやっていると、ふと血と破壊が見たくなるんだよな。

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抒情性といえば、抒情性の正反対にある「悪魔のいけにえ」は、タッチがあまりにドライでもはや「ジャッカルの日」みたいだった。

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好きなホラーゲームがサイレントヒル2、返校、還願あたりであることを考えると、自分にとっては抒情性が大事らしい。人間の情念が極端な形で噴出するのがホラーであるということか?

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多分、ホラーは好きなのだが、映画だとグロと脅かし演出が苦手だし、ゲームだと死にゲーになりがちなのが苦手だし、ホラー創作全般において登場人物が辛い目に遭って後味が悪く終わりがちなのが苦手だし、ではホラーの何が好きなのだろうか?

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怖がるよりも怖がらせる方が面白いし、キャラが殺されるのを見守るよりも……。

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評判のいいスクエニのホラーゲームをセール価格中に買うか迷ったが、「呪い殺し合うって辛いな……」とゲームの根幹部分に抵抗を感じたので見送った。今まではホラーに近い部分で創作をしていたのでホラー作品に触れなければという思いが強かったが(思うだけで結局興味のあるものしか触れなかった)、創作から離れると「あれ? 別にホラーそんなに好きでもなくない?」とふと気づいたというか……。後味が悪いのってやっぱり辛いし……。

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『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される?』を読み進める。一つの小説を精読するってこういうことなのね。かなりスゴイ。

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自分の考えた空想野球ゲームにのめり込む孤独な男がゲームの世界で起きた大事件をきっかけに現実と向き合い人生を変えていく……という展開には全くならない『ユニヴァーサル野球協会』って変な小説だったな……と思い出す。読んだのはだいぶ昔だった。当時は「なんじゃこりゃ」と思った。「自分の空想のゲームに夢中になる人の話」というわくわくする題材なのに確か全然予想(期待)と違う読後感だったのだ。今読んだらまた違う感想になるだろうか。ともかく甘い小説でないのは間違いないが、空想にのめり込むあまり破滅するという単純な話でもなかった気がする。

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Steamスプリングセールでいくつか買う。

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『アクロイドを殺したのはだれか』は文学評論ではあるが、「私は『アクロイド殺し』をこのように読解する」という主張ではなく「『アクロイド殺し』はこのように読解可能である」と(ユーモアとともに)示す、それ自体一つの文学的創作に近い。著者ピエール・バイヤールと『アクロイドを殺したのはだれか』の中で真相を追求する「ピエール・バイヤール」は別であり、後者はキャラクターなのだ。
私が読んだ中では評論よりむしろ、レムの『完全な真空』『虚数』、エーコ『ウンベルト・エーコの文体練習』、またフランスの文学集団ウリポによる言語遊戯のような創作作品が近い気がするし、これらが好きな人は楽しめるんじゃないかと思う。もちろん事前に『アクロイド殺し』は読んでおいた方がいいが。

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ディアブロ4の先行アクセスはサーバー切断問題を除けば評判がいいようで、やはり買おうかなという気になってきた。その前にオープンベータに参加してみようかな。ディアブロ4を買ったが最後、相当の期間「それからはディアブロ4のことばかり考えて暮らした」という状態になることは間違いないので生活とディアブロ4を秤にかけることになる。