RSSフィード

不在

edit

『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される?』読了。いやー難しかった。大著だなあこれは。専門的でついていけない部分も少なくなかったがなかなか刺激と示唆に富んでいる本だった。

edit

『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される?』を読み続ける。ジェラール・ジュネットがどんどん参照されるので、『物語のディスクール』などを読んでおけばよかったと少し後悔。やはり記号論・物語論・バルトあたりは入門書でもいいので触れておかないといかんなー。

edit

変な時間にぐっすり寝たものだから眠れない。

edit

アガサ・クリスティのミステリは実は非常にラディカルなのではないかと考えていた。

edit

『春にして君を離れ』を最初に読んだ時は、結局は心を入れ替えない主人公を見て「ひどいなあ、周りの人がかわいそうだ」と思ったが、再読して、せっかく訪れた改心の機会を活かせなかった主人公が一番哀れなのだと考えが変わった。主人公はあの地で感じた不安や疑念を忘れたように元の日常に戻るのだろう。というより実際、忘れてしまったのだろう。だが、きっと、一度芽生えた疑念は消えることなく心の底に埋もれていて、彼女はふとした瞬間に言いようのない不安に襲われたりするんじゃないだろうか。まあこれは私が空想をたくましくしすぎなのだとしても、本当は家族にすら疎まれていて、向けられているのは心からの親愛ではなくむしろ憐憫に近い愛なのに、自分だけはそれを知らずにみんなが気遣ってくれている虚構の中で生き続けるなんて、恐ろしい人生、恐ろしい結末だ。なんて怖い小説なんだろう。畳む

edit

しかしなんだろうな。癒し系みたいなゲームを楽しくやっていると、ふと血と破壊が見たくなるんだよな。

edit

抒情性といえば、抒情性の正反対にある「悪魔のいけにえ」は、タッチがあまりにドライでもはや「ジャッカルの日」みたいだった。

edit

好きなホラーゲームがサイレントヒル2、返校、還願あたりであることを考えると、自分にとっては抒情性が大事らしい。人間の情念が極端な形で噴出するのがホラーであるということか?

edit

多分、ホラーは好きなのだが、映画だとグロと脅かし演出が苦手だし、ゲームだと死にゲーになりがちなのが苦手だし、ホラー創作全般において登場人物が辛い目に遭って後味が悪く終わりがちなのが苦手だし、ではホラーの何が好きなのだろうか?

edit

怖がるよりも怖がらせる方が面白いし、キャラが殺されるのを見守るよりも……。

edit

評判のいいスクエニのホラーゲームをセール価格中に買うか迷ったが、「呪い殺し合うって辛いな……」とゲームの根幹部分に抵抗を感じたので見送った。今まではホラーに近い部分で創作をしていたのでホラー作品に触れなければという思いが強かったが(思うだけで結局興味のあるものしか触れなかった)、創作から離れると「あれ? 別にホラーそんなに好きでもなくない?」とふと気づいたというか……。後味が悪いのってやっぱり辛いし……。

edit

『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される?』を読み進める。一つの小説を精読するってこういうことなのね。かなりスゴイ。

edit

自分の考えた空想野球ゲームにのめり込む孤独な男がゲームの世界で起きた大事件をきっかけに現実と向き合い人生を変えていく……という展開には全くならない『ユニヴァーサル野球協会』って変な小説だったな……と思い出す。読んだのはだいぶ昔だった。当時は「なんじゃこりゃ」と思った。「自分の空想のゲームに夢中になる人の話」というわくわくする題材なのに確か全然予想(期待)と違う読後感だったのだ。今読んだらまた違う感想になるだろうか。ともかく甘い小説でないのは間違いないが、空想にのめり込むあまり破滅するという単純な話でもなかった気がする。

edit

Steamスプリングセールでいくつか買う。

edit

『アクロイドを殺したのはだれか』は文学評論ではあるが、「私は『アクロイド殺し』をこのように読解する」という主張ではなく「『アクロイド殺し』はこのように読解可能である」と(ユーモアとともに)示す、それ自体一つの文学的創作に近い。著者ピエール・バイヤールと『アクロイドを殺したのはだれか』の中で真相を追求する「ピエール・バイヤール」は別であり、後者はキャラクターなのだ。
私が読んだ中では評論よりむしろ、レムの『完全な真空』『虚数』、エーコ『ウンベルト・エーコの文体練習』、またフランスの文学集団ウリポによる言語遊戯のような創作作品が近い気がするし、これらが好きな人は楽しめるんじゃないかと思う。もちろん事前に『アクロイド殺し』は読んでおいた方がいいが。

edit

ディアブロ4の先行アクセスはサーバー切断問題を除けば評判がいいようで、やはり買おうかなという気になってきた。その前にオープンベータに参加してみようかな。ディアブロ4を買ったが最後、相当の期間「それからはディアブロ4のことばかり考えて暮らした」という状態になることは間違いないので生活とディアブロ4を秤にかけることになる。

edit

Vampire Survivorsを漫然とプレイしながら画面の下の方でYouTube動画を流すという人間性の終焉を感じさせるライフスタイルを確立させかけたが、アクロイド関連の本が面白いので人間らしさを取り戻すことができた。でもVampire SurvivorsをプレイしながらYouTubeを見たって別に誰に非難されるいわれもない。

edit

叙述トリックといえば、アントニイ・バークリーのアレの文庫を買おうかなと思ったのだが、買おうかな買おうかなと思っているうちに版元品切になっていたので古本を注文した。単行本を持っているのだが……。

edit

隕石が迫って地球滅亡まであと一日ぐらいの状況になったら、みんなのイチオシ叙述トリック作品を募ってみたい。

edit

アガサ・クリスティが別名義で書いた非ミステリ作品『春にして君を離れ』は、クリスティのミステリ作品と鏡像の関係になっていることに(遅ればせながら)気づいた。
クリスティの多くのミステリでは、真相を読者から隠すために叙述トリックが用いられる(ここで言う叙述トリックとは、大がかりなどんでん返しに限らず、物語の記述のレベルで作者から読者に仕掛けられるトリックのことである)。『春にして君を離れ』では、真相を読者にだけ示すために叙述トリックが用いられる。では真相は誰に対して隠されているのかというと、主人公である。この小説では、主人公が決定的な答え(例えば家族の本心)に辿り着かない程度の描写とほのめかししかなされない。しかし同時に、それらは読者には意味が察せられるように書かれている。畳む