RSSフィード

不在

edit

読書用椅子がいい役割を果たしている。

edit

さて、買った本はまだまだあるので、次は何を読もう。テーマとして繋がっているのは『ポスト人新世の芸術』だが、重たい本が続いたので別のジャンルに手を出してもいいかも。
そういえば『日本語類義表現の文法(上)』を、一応礼儀として最初から読んでいたのが止まっていたので、こっちに戻ってみるかな。

edit

『セックスロボットと人造肉』を読み終えた。セックスロボット、培養肉、人工子宮、自殺マシンという四つの世界を変えうるテクノロジー(とそのビジネス)が批判的に取り上げられている。五年間の取材に基づいているということで当事者へのインタビューが豊富であり、読み応えがあった。こういった本の常で、インタビュイーに対して読者が抱く印象が著者によって巧みにコントロールされているのではないかと感じる部分もあったが……。
これらテクノロジーは問題の原因を解決することなく問題を消し去るために利用されかねず、人類は問題そのものと向かい合うべきだというのが著者の主張。どう見ても人類の倫理観が技術の進歩に追いついていない現状を見ると、この主張は正しいように思う。
本書に登場する新しいテクノロジーの産物の恐らく半分ぐらいが現段階では大言壮語に過ぎないのは意外だったが(培養肉や自殺マシンの話なんてほとんど詐欺である)、誰がいつ実現させるにせよ、これらが実用可能なものとして社会に登場する時は必ず来るだろう。(その事実について何を言えばいいのかはよくわからない。)

本題とは少し離れた感想だと、『あなたが消された未来』で書かれていたことだが、テクノロジー開発がビジネスと直結しているのは非常に危険なのだとつくづく感じた。ビジネスにおいては「売れるかどうか」「金を調達できるかどうか」が何よりも大事であり、テクノロジーがもたらす「素晴らしい世界」に不都合な事物(出生前診断によって「生まれてくるべきでない」とされる障害や病気の当事者たち、「商品」として自らの子宮を提供する代理母本人たち)は宣伝から巧妙に排除される。倫理的な議論を置き去りにして、本来ならば慎重に扱われるべき分野の開拓がどんどん進められてしまう。そしてこれは『考えるあなたのための倫理入門』を読んだから思うことだが、本当は、相対主義と冷笑主義のはびこる現代にこそ普遍的な道徳について真剣な議論が行われなければならないのだろう。

edit

後に遺す子供も守るべき未来もないので、私にとっての問題はもはや、この先のない世界で自分がどう生きてどう死ぬかということしかない。はっきり言えば人類がどうなろうがどうでもいい。
しかし、倫理的にはそのような態度は是認しがたいものである。自分に子孫がいようがいまいが、今生きている、そしてこれから生まれてくる全ての人のために少しでも現実と現在を良くしようとすることが善というものだろう。その点についてどうすべきかたまに考える。

edit

『セックスロボットと人造肉』を読んでいると暗澹たる気分になってくる。本そのものはディストピアSF的な面白さを持っている。
私は悲観主義者ではあるけれども、実際のところ、今のこの世界のどこに人類の未来に対して楽観的でいられる材料があるというのか? 今後、気候変動や環境の変化によって地球の大部分が居住困難な場所になったとしても、恐らく人類全てが絶滅するところまでは行かないだろう(全面的な核戦争が起きたら別かもしれないが)。しかし絶滅こそしなくとも、人間はますます狭量になり、狭い価値観に閉じこもり、気に入らない相手には正義を振りかざし、これまで以上にお互いを傷つけ合い苦しみを増やしていくだろう。そうならないと考える理由、まだ希望はあると考える理由はないように思える。

edit

「素晴らしい新技術」についての(批判的な)文章を読むと、『あなたが消された未来 テクノロジーと優生思想の売り込みについて』を思い出す。障害を持った子供が生まれてこない世界の「素晴らしさ」を熱心に説くのは主に知性あるインテリ的な人々であり、そこでは知的障害を持った当事者たちは黙殺される。なぜなら彼らはその障害ゆえに自らについて語る言葉を持たず、議論の場に参加すらできないから。
『セックスロボットと人造肉』もやはりそういった構造的な問題に触れているようだ。最新のテクノロジーについて批判的に考える時、そこを見過ごすわけにはいかないのだろう。

edit

これだけ本を読んでも2時間ぐらいしか経っていないのに、ゲームに熱中すると5時間ぐらいあっという間に過ぎ去ってしまうのでゲームは時間的なコスパは悪い(金額に対して長く遊べるのでそういう意味では良い)。

edit

次は、より現代に即した倫理ということで、(別に倫理学の本ではないが)『セックスロボットと人造肉 テクノロジーは性、食、生、死を“征服”できるか』を読んでみよう。店頭でページをめくってみたら、「痛みを伴う出産がそんなに尊いなら、親知らずを抜く時も同じように扱ったらいかがですか」と皮肉を書いた人の話(立ち読みなので多分細部は異なる)が目に入って思わず笑ってしまった。面白そう。

edit

一昨日、都会の大きな本屋で買った『考えるあなたのための倫理入門』(メアリー・ウォーノック)を読んだ。これはすごくよかった。倫理の専門家として実践の場に長く関わってきた著者による倫理学の手引き。原著は1998年刊行だが、2020年代の現在にまで通じる問題が色々な観点を考慮しつつ、反論すべき(と著者が思う)意見には反論しつつ、経験の重みを感じさせる確固たる信念に基づいて論じられている。

edit

Inscryptionは面白いんだろうなというのは感じる。「これはどういうことなんだろう」「何が起きているんだろう」とは思う。が、私にとって、このゲームのやがてやってくるらしい「面白さ」によって享受されるメリットは多分、カードゲームを繰り返しプレイさせられる(繰り返しプレイしなければならない)ことへのストレスというデメリットを上回るものではない。
ゲームの楽しさは「なんでこんなことやってるんだろう?」と思った瞬間に終わる。残念ながら、ローグライクは私の心がその瞬間に至るまでの時間を加速度的に速めてしまう。ローグライクと形容されるゲームはもう買わないようにしよう。私はローグライクが嫌いだ。
その一方で、遊ぶこと、体験すること自体の楽しさが長く続いたゲームもあり、自分にとって両者の違いはどのあたりにあるのだろうか。

edit

Disco Elysiumは複雑な世界設定に関わる台詞をほとんど聞き流しているのでTRPGだったらGMに嫌な顔をされたと思う。それはともかく、TRPGみたいなランダマイザとTRPGのサンドボックスみたいな自由度を盛り込みつつ、TRPGでは不可能な量のテキストをぶつけてくるから贅沢な電源ゲームだ。すごいし興味深いとは感じるが「面白い!」「好き!」とまでは行かないので最後まで遊ぶかはわからない。

edit

Disco Elysiumを触って思ったのが、オープンワールドゲームって慣れてないと自由すぎて難しいかも。(Ghostwire: Tokyoがオープンワールドじゃないのはもちろん、ツシマも擬似というかオープンワールド風の非オープンワールドだった)

edit

ツシマを遊んだ時も、バイオRE2の時もそうだったが、Ghostwire: Tokyoを始めたら映像が綺麗でびっくりしてしまった。最近のゲームは本当にすごいな〜(とずっと言い続けそう)。

edit

しかし、ゲームはものすごい勢いで時間を食っていくので、ほどほどにして本も読まねば。でもGhostwire: Tokyoは一日中やってもいいくらい面白い。

edit

近年、自分が飽きずに一日中やってた、時には夢中になってやりすぎなくらい遊んでいたゲームを思い出すと、ゴースト・オブ・ツシマ、ディアブロ3、バイオRE2とかなので、インディーズにはあまり手を出さず大手メーカーが作ったリッチで面白いゲームを遊ぶ方がいいのかもしれないなぁ。(Grim Dawnなんかもまあ100時間近く遊んだがあれはディアブロ系という一つの中毒ジャンルなので別腹)

edit

なんだかな〜と思いながら起動してみたGhostwire: Tokyoが面白すぎてずっと遊んでいた。これは面白いし好き。

edit

すぐ飽きてしまうのでゲームは向いていないかもしれない……。

edit

デッキ構築ローグライク+何かすごいホラー?らしいというInscryptionを遊んでみたが、とにかく繰り返しやらされるのがかったるく、ストーリーのすごい部分(?)に至る前に飽きてしまった……。
攻略を見て遊んでもいいが、そこまでするならもうプレイ動画見ちゃった方が早いかも。

edit

以前のSteamセールで買ってあったDisco Elysiumがいよいよ日本語対応したので遊んでみた。ものすごい独特。主人公が全然冴えないおじさんだし。サイコロによる「判定」でスキルチェックの成否が決まるところがTRPGっぽい。主人公と他の人々、そして主人公と彼自身の内面との対話で話が進んでいくあたりもTRPG。主人公に語りかけてくる内面の挙動はTRPGのGMめいている。まだ全然序盤でどういう話か見えてこないが、テキスト量がすごいしとにかくすごいものを遊んでいるという感覚はある。問題は、かなり時間を食いそうだし終わる前になんとなく飽きてやめちゃうかもしれない……。

edit

水声社は本をAmazonに卸していないのはいいとして、もう少しウェブサイトの使い勝手がよければなあ。まともに更新されているのがブログとTwitterだけで、刊行図書が調べづらい。例えば国書刊行会みたいに検索しやすく、出版社からの直接通販もサイト上で行えればいいのにと思う。
とはいえサイトの会社情報を見ると、2000年代初頭の時点で(10年以上サイトが更新されてない)総社員数が6名らしく、小規模な会社のようなのでサイト改修は無理なのかもしれない。ちなみに国書刊行会は2011年時点で85名ということだった。