不在
2023-08-31
原民喜は吉祥寺・西荻窪駅間で鉄道自殺をしてその生涯を終えた。私もそれだけは何かで読んで知っていた。『夢の器 原民喜 初期幻想傑作集』に収録された初期作品群を見るに、原民喜は生来神経症気質の天才で、戦前すでに自殺未遂をしており、原爆体験がなかったとしてもいずれ行き着くところはそこであったろうかと思わされる。しかし、これほど美しいものを書く人がそのように生を終えるしかなかったのは、やはり純粋に悲しいことだと思った。作家の自殺はともすれば美化されがちである(私だってそうして見たい気持ちが強い)。長い時が経てば、自殺が彼・彼女の人生の結晶であったかのようにすら美化される。だが、やはり、悲しいことだとあらためて思った。
2023-08-31
原民喜は、しばらく前に別のアンソロジーで「鎮魂歌」を読んだけれども、こちらはいわゆる原爆文学(原民喜が広島で原爆体験をした後に書かれた作)で、悲痛な、絶唱と言うほかなかった。
2023-08-31
『夢の器 原民喜 初期幻想傑作集』を読了。神経症的な夢と空想が横溢し、押し寄せてくる想念に圧倒されて一つ読んではしばらく休みという進捗具合だったが、最近は波長が合ったのか順調に読み進めることができた。波長が合えばなかなか好きな作家である気がした。
2023-08-29
タブーの侵犯それ自体が定型なのではなく、パーツの一つのようなものかもしれない、タブーを犯せば何らかの罰があるのは物語の力学の上では当然で、これこれこうしてはいけないと言われた人がそれをしてしまいましたが特に何事もなく幸せに暮らしました、なんて話を聞いたら遥か昔の人も今の人も呆気に取られるだろう。なぜそうなのかは私にはわからないが絶対にそのはずだ。
2023-08-29
何度も書いているように、私は「コンジアム」や「呪詛」のような「オカルト系動画の配信者が自業自得で呪われる」という筋書きなら主役たち=被害者にさほど感情移入せず楽しく見られるのだが、それは配信者に対して当たりが強すぎるだろうか? とふと思った。視聴数目当てに心霊スポットに侵入したり、禁忌を破ったりする彼らは確かにアホなのだが、呪われて死ぬほどの罪を犯したわけではない。配信者の関係ない話で私が見た中だと、「アンフレンデッド」の主役たちほど「死んで当然」なわけではない(まあ「アンフレンデッド」の彼らだって、法律で言えば極刑になるほどの罪を犯したわけではないが、しかしオカルト動画で注目を集めたかっただけの若者たちに比べれば遥かに邪悪である)。
しかし、さらに考えてみると、「禁忌を破る(入ってはいけない場所に入る、他人の忠告を聞かない)者が罰を受ける」というのは、そもそも民話の定型の一つであり人間の根源的なところに根ざす物語かもしれない。
しかし、さらに考えてみると、「禁忌を破る(入ってはいけない場所に入る、他人の忠告を聞かない)者が罰を受ける」というのは、そもそも民話の定型の一つであり人間の根源的なところに根ざす物語かもしれない。
2023-08-28
調べ物をしていて思い出したが、今まで見た中で一番怖かったホラーは映画ではなく、ドラマの「学校の怪談 春の呪いスペシャル」だった……。まさにトラウマだった。もしまた見られるとしても、見たくない。
2023-08-28
キャラ強化しまくって最終的に「棒立ちで敵が溶けるのを見守るゲーム」になるヴァンサバも楽しいが、最初の頃の10分生き残るのすら難しいヴァンサバも今思うとあれはあれで楽しかったのだ……。